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熱帯性スイレンの栽培

   
栽培方法は、加藤宣幸氏の著書「育ててみたい 美しいスイレン」(家の光協会)を参考にし、更に加藤氏より直接指導を頂き、本内容を纏めさせて頂きました。詳細内容については、加藤氏の著書で確認して頂けると幸いです。

 

①花を購入する

①花を購入する
 
・開花株の購入

水生植物で、開花期間が夏から秋(7月~10月)と長く、花茎を水面より上に伸ばして花を次から次に咲かせます。開花株(つぼみ付き)は、晩春~夏場(6月~9月)にかけて販売されます。品種名の付いたものや色別に販売されている実生株の中から、お気に入りの逸品を購入しましょう。

・購入株の植え付け

購入株が小さな植え込み鉢に入っている場合は、より大きな鉢に植え替えます。ムカゴ種は4号、一般種は5号、夜咲き種は6号程度に植え替えることが目安となります(例えば、ムカゴ種で4号に入っていたら、植え替えは不要です。また、ムカゴ種の中にはミニドウベンの様に2号の極小サイズで栽培できる品種もあり、これも植え替えは不要です)。

植込み鉢の鉢底に排水穴がある場合は、厚手のビニールなどで塞ぎます。使用する植え付け用土は、荒木田土単体でも良いですが、赤玉土細粒(芝の目土)と完熟腐葉土(或いは、pH調整済ピートモス)の配合土(3:1に配合)に、元肥としてマグカリン(N:P:K:Mg=1:17:10:7)を混ぜ合わせたものを用います。植え込みのポイントは、生長点を埋め込まないようにすることです。また、配合土を用いる場合は、1㎝程赤玉土細粒でマルチングしてあげると、水に入れたとき腐葉土などが浮き上がり難くなります。また、用土が浮かび上がらないように強く押し付け、更に、スイレン鉢に入れる前には、シャワーして用土の中の空気を追い出し、水に馴染ませてあげるのがポイントです。

・スイレン鉢に入れる

スイレン鉢の大きさ(径)と生長点からの水深の目安は、ムカゴ種は径40㎝以上で水深10㎝以上、一般種は径50㎝以上で水深15㎝以上、夜咲き種は径60㎝以上で水深20㎝以上です。置き場所は、戸外の日当たりの良い場所で栽培します。生育期間中は、株元の生長点に直射日光を当てることが栽培の重要なポイントです。また、なるべく日照時間が長い場所での管理を心がけましょう。

 

②花を楽しむ

②花を楽しむ
 

・開花期間中の手入れ

開花期間は、夏から秋(7月~10月)と長いです。一つの花の命は3日間程度ですが、次から次に絶え間なく花が上がってくるので、とても長期間楽しめます。開花期間中にやるべき作業は、水の手入れ、古葉・花殻のカット、追肥の3つだけです。

・水の手入れ

スイレン鉢の水は蒸発して次第に水位が下がってくるので、水を足してあげます。ホースをスイレン鉢の底に入れて、エアレーションして水を1/3程度入れ替えてあげると良いでしょう。通常、スイレン鉢の水は、バランスが取れていたら綺麗に澄んでいるはずです。肥料が漏れたりして緑色に濁ったら、水を入れ替えしてあげます。また、メダカなどを2、3匹入れておくと、可愛いし、藻などを食べて綺麗にしてくれるので、一石二鳥です。

・古葉・花殻のカット

熱帯性スイレンの葉は、時間とともに黄色く枯れ、新しい葉に更新していきます。そこで、黄色くなった古葉は、付け根に近い所で切り、整理しましょう。また、葉数が多くて、直射日光が差し込み難い場合は、新鮮な葉を5、6枚程度残しておけば、残りは切り取っても大丈夫です。また、古葉だけでなく、咲き終わった花殻も切り取ります。咲き終わった花は、蕾んだ状態で横に倒れ込んでいるので、判別しやすいです。

・追肥

熱帯性スイレンは、よく花を咲かせるため、通常の草花よりも肥料を欲しがります。リン酸分の比率が高い草花用のプロミック(N:P:K=8:12:10)を、1ヶ月に1回の間隔で植え込み鉢のサイズに合わせて与えましょう。その際は、指や割り箸を用い、鉢底付近まで穴を開けて、プロミック錠剤を押し込みます。押し込んだ後、穴を埋戻し、肥料分が流れ出ない様にするのがポイントです。

・ムカゴ種の増殖

ムカゴ種は、葉を裏側にして、日光が当たり難い様に、他の葉の下やスイレン鉢の底に潜らせておくと、ムカゴから発根して根が伸長します。根が伸長するまで親株と繋がっていた方がムカゴの生長が早いですが、新鮮な葉を初めに切り取ってしまってから、葉を裏側にして水に浮かせておく方法もあります。根が5㎝程伸びたら、植え付けすると、6月~8月の生長期なら年内に開花することも可能です。また、越冬させる場合は、水を張った大きめのコップに入れ、室内の日当たりのよい窓辺で管理します。 
 

③冬越しする

③冬越しする
 
・冬越しの必要性

熱帯性スイレンは、多年草だが耐寒性に乏しく、11月に入り水温が15を下回ると生育を休止し、5以下では死滅する可能性が高くなるので、球根を休眠させて、下記の方法で冬越しさせます。但し、ムカゴ種は耐寒性が強く丈夫な反面、休眠しづらい傾向にあるため、親球を冬越しさせるだけでなく、予備としてムカゴで増殖した子株を、水を張った大きめのコップに入れ、室内の日当たりのよい窓辺で冬越させておきます。

・休眠

先ずは、植込み鉢から取り出し、葉を切り取ったら、シャワーリングしながら用土を全て落とします。分球して球根が増えている場合は、両方とも同様の管理を行います。根は特に切る必要は有りません。球根を傷めないことが冬越しにおける最重要ポイントです。用土を落として、肥料分を取り除いた球根は、水を張ったバケツに漬けます。2週間程で球根は固くなり休眠状態となります。また、根は黒く腐っているので、球根を傷めない程度に切り取り整理します。この際、無理に根を引っ張って、球根に傷をつけないように十分注意しましょう。

・冬越しの保管

休眠した球根を、化学繊維製のフェルトで包み込み、ジップロック(チャック付ビニール袋)に入れて、発泡スチロールの箱の中で常温保管します。これだと温度変化が少なく、遮光性もあって保管に適しています。尚、球根が湿っている場合フェルトを無理に湿らす必要はありません。

 

④春の植え付け

④春の植え付け
 
・発根

4月中旬になったら、保管していた球根を取り出し、水を入れた大きめのコップなどに漬けこみ、室内の日当たりのよい窓際などで管理します。2~3週間もすると、発根して5㎝程、根を伸ばします。親球よりも子球の方が小さいですが、生命力は子球の方が強いので、一つだけ残すなら子球を残し、親球を廃棄しましょう。どんどん新しい球根で更新していくことがポイントです。

・植え付け

5月の連休過ぎには、気温が上昇してくるので、植え付けを行います。植え付け方法は、購入株を植え付ける方法と同じです。日当たりのよい場所で栽培すれば、2ヶ月後の7月中旬には開花し始めます。冬越しした株が咲くのはとても嬉しいです。

7月になっても、小さな葉しか出てこない場合、葉の付け根が1か所でない場合、沈水葉しか出てこない場合、或いは、開花しない場合は、球根が分球し始めている可能性があります。その場合は、球根から株を一つ一つ分離して、植え付けなおします。

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