ニュースレター 2025
ニュースレター №46
2025.10.20 暖地栽培の良し悪し
写真は生育途中の秋じゃがいも畑です。じゃがいもは春と秋の年二回、二期作が可能な栽培作物です。しかしこれは西日本やここ静岡など温暖な地域に限られた作型で、東北や北海道などの冷涼地では二期作は難しいとされています。暖地のメリットを活かして、オトワファームでも秋じゃがいもを栽培するようになりました。
ただ近年、温暖化の影響で以前なら越冬できなかった害虫が年を超え個体数が増えるなど、温暖地での栽培条件が難しくなってきています。最近では高温で越冬したせいでカメムシが大量発生し、かんきつ類などを吸汁し品質や収量の低下を引き起こしています。
オトワファームでは冬の農閑期、「寒起こし」といってなるべく使用していない畑を耕し、寒風に当てて害虫を死滅させるようにしています。ただ温暖化が進行していくと、今後はその作業効果も薄れてくるのかもしれません。
ニュースレター №45
2025.9.20 高温下の里芋
写真は今年の4月10日植え付けた里芋です。里芋は日当たりが少々悪くても育てられる頼もしい野菜ですが、それは乾燥をとにかく苦手とする野菜でもあることを表しています。
栽培時、雑草抑制のためビニールのマルチングをして栽培していますが、近年の酷暑傾向から、一般的に用いられる黒マルチではなく、写真のように表面が白いマルチを使用しています。この白マルチは黒マルチよりも高価なのですが、黒マルチより日中の表面温度を抑えてくれるので水分を好む里芋にとっては生育環境がより良くなります。
ただそれでも今年の空梅雨からの長期間の高温は里芋にとってはとてもつらい環境となりました。写真、右側手前の里芋の葉は夏場の高温で、途中枯れたため変色しています。
縄文時代には日本には伝来し栽培されてきたと言われている里芋ですが、今年の夏は里芋にとって一番過酷な夏だったかもしれません。収穫は10月半ばから始める予定です。
ニュースレター №44
2025.8.21 秋冬野菜の種まき時期
8月、秋冬野菜の種まきと畑づくりで忙しい毎日です。ただ昨年から種まきに関しては、その時期を2週間から1か月程度後ろに遅らせるようになりました。その原因はやはりこの暑さ、以前のスケジュールでは暑すぎて枯れてしまったり、また夏が長くなり害虫による食害がなかなか収まらず出荷まで至らなくなってきたりと、従来のスケジュールでは栽培管理が難しくなってきたからです。
種苗メーカーから発売されている種袋の裏には種まき時期が掲載されていて、それに倣えば大体収穫までたどり着いたものです。そのメーカー推奨の種まき時期より遅くすることは、急な冷え込みがあった場合など収穫できなくなるリスクもあるため賭けでもあるのですが、この異常な高温は以前では考えられなかった判断も求められています。
ニュースレター №43
2025.7.23 紅はるか畑
植え付けから約1か月経過した紅はるかの畑です。収穫は植え付けから大体120日から140日くらい、収穫は11月を予定しています。
さつまいもは基本的に暑さに強い野菜で、芋の生育には雨続きよりもむしろ乾燥の方が好まれます。ただ昨年は余りの暑さで途中しんなりして元気がありませんでした。例年通りの量を植え付けたものの、全体的に小ぶりで収穫量も減少しました。
農園の周辺は今シーズン、降水がほとんどないまま梅雨明けしてしまったので、これからがちょっと心配です。
さつまいもはヒルガオ科の野菜でアサガオに似た花が開花することがありますが、それは亜熱帯の沖縄で見られ本州で開花することは稀です。極端な干ばつ状態などストレスがある場合、咲くこともあるようですがそれはうれしくないサイン。
今後、本州でさつまいもの開花が見られる状況が頻発するとしたら、それは気象条件が変化してきている証拠かもしれません。
ニュースレター №42
2025.6.25 夏野菜
夏野菜がスタートしています。毎年この時期はまだ梅雨時期なのですが、今年は空梅雨傾向、そして気温も35℃超えの日もあり梅雨明け後と錯覚するくらいの陽気です。
写真はナス畑、これから9月、秋ナスまで収穫が続きます。高温を好む夏野菜のナスですが、あまりの高温に耐えきれず枯れてしまいそうになる時も出てきました。そのため、マルチシートの表面を地温抑制効果のある白色のものを使用し、ピーマン、カボチャ、冬瓜、オクラなどもナスと同じように白色にしました。
ただ昨年のような暑さが続けば、たちまちしんなりしてきます。今年の夏は、昨年ほどまでの高温にならないとの予想になっていますが、やっぱり梅雨時期に高温になるとやはり不安なものです。必要であれば潅水しながら、野菜の収穫を続けたいと思います。
これからナスやピーマン、コリンキー、オクラ、モロヘイヤなど夏野菜が続いていきます。
これからナスやピーマン、コリンキー、オクラ、モロヘイヤなど夏野菜が続いていきます。
ニュースレター №41
2025.5.26 キウイの季節
オトワファームではここ数年、5月が一番の忙しさになってきました。その理由は人手が足りない中で、キウイの受粉作業がどうしても夏野菜の栽培時期と丸被りしてしまうのが要因となっています。
このキウイ、実が結実するために受粉作業が必要な果物なのですが、その作業がGWからほぼ5月いっぱい続きます。開花したら2日ほどで受粉能力がなくなってしまうのでそれまでに受粉作業を行ってあげなければなりません。
そうならば、一度開花してしまえば野菜の作業は必然的に後回し、すぐさまキウイの畑に駆け付けます。その結果、野菜の作業が後ろ倒しになり、そしてここに雨が加わると5月はてんやわんや…そんな感じです。
そんな大変な5月ですが、やっぱりキウイはオトワファームのシンボルでもあり人気も抜群、11月の収穫期はやはり嬉しいものです。写真は開花したばかりのメスのキウイ。ここに受粉してあげると、数日後に小さいキウイの実が付きだします。
ニュースレター №40
2025.4.18 野菜のアーチ
夏野菜の植え付けが続々と始まっています。夏野菜の収穫期は大体6月ころから、それまで畑では上半期の農繁期、ドタバタが続いていきます。
写真はきゅうりアーチ、つる性のきゅうりの栽培時に使用します。その他、いんげん、ゴーヤー、カボチャ、トマト、ナスなど個々の農家さんの栽培作物により使い方はさまざまです。
きゅうりは地を這わせて栽培する品種もありますが、こちらの方が地面に接触しないので全体的に緑できれいなきゅうりができあがります。
またカボチャ栽培で用いた場合では、葉が非常に繁茂する栽培作物なので収穫時見つけにくいのですが、アーチ栽培だと簡単に見つけることができ、また立体状なので腰を曲げずに収穫が可能で身体にも負担が少なく優しいです。デメリットとしては、台風などの強風の場合、その作物の重さで簡単にアーチがひしゃげてしまいます。強風により、片付けるのも億劫になるくらいズタズタになる年もあります。
ニュースレター №39
2025.3.22 2025年シーズンの始まり
春分の日も過ぎて畑もそろそろと忙しくなってきました。秋冬作を片付けながら、春夏作の用意にどの農家も動き回っている時期です。
ビニールハウスでは一番手の葉物から始まり、初夏採りのチコリーやキャベツ、ここから夏野菜のズッキーニやキュウリなどの種まきが続きます。
また一方畑では、じゃがいものように種芋を直接植え付ける野菜や種を直まきするスイートコーンやインゲンなども登場、とにかくやること目白押しの春先です。 3月上旬は暖かい日があったかと思いきや一転、雪も降りこの時期らしい天候の不安定さでした。降雪予報で高速などが予防的通行止めを行い、荷物が届けられなかったことも初めて経験しました。
また春先は予想が難しい強風が突然吹く時期でもあり、保温資材のビニールトンネルやマルチがよく剥がれ、その修復作業で毎年心が折れそうになります…。
もうすぐ4月、そうすると春の嵐は落ち着いてきますが、そろそろ夏が始まる合図です。
ニュースレター №38
2025.2.27 西洋野菜とカラフル野菜セット
フユバノこの時期だけの西洋野菜とカラフル野菜セットを現在通販サイトにて掲載しています。珍しい野菜の詰め合わせ中心で人気のセット、今シーズンはさらにエディブルフラワーも仲間入りしています。例年ならこの西洋野菜とカラフル野菜セット、そろそろ終わる時期を迎えますが今年は少雨の関係で、いろいろな野菜のスタートが遅れているので3月中は出せるかもしれません。
エディブルフラワーや未知なる野菜にご興味あれば、食べ方や各野菜の特徴などもお入れしているので、ご安心してご注文ください。
このニュースレターの野菜を一例ですがご紹介すると、向かって左から時計回りに、ルートパセリ(白色の細長い根を食べる野菜です、甘味があります)、ビオラ中心のエディブルフラワー、ルタバガ、グリーンキウイ、リーキ(西洋ねぎ)、カラフル人参、サヴォイキャベツ(ちりめんキャベツ)、ピンクチコリー、グリーンカリフラワーといったラインナップになっています。
ニュースレター №37
2025.1.23 エディブルフラワー
オトワファームでは昨年より、エディブルフラワーの栽培を少しずつ始めてみました。ただ、いわゆる一般的な野菜と違い栽培指南書などが余りなく、数少ない情報の中から手探りで、マリーゴールドやナスタチウム、ビオラやボリジ、ダイアンサスなどを播種、ハウスに植え付けてみました。
エディブルフラワーの中でも暑さと寒さに強い弱いが野菜と同じようにあり、この冬の時期でもきれいに咲いてくれるものもあれば、枯れてしまった花もあります。その中で、この冬場でも耐寒性のある「ビオラ」はきれいに花を咲かせてくれています。色も黄、オレンジ、白、青、紫、ツートンカラーなどなど…さまざまなパターンがあり開花するごとに収穫する私たちを楽しませてくれています。














