クリスマスローズの概要
| クリスマスローズとは | クリスマスローズの故郷 | クリスマスローズの分類 |
①クリスマスローズとは
クリスマスローズは、クレマチス、オダマキ、フクジュソウなどと同じキンポウゲ科に属する宿根草です。
本来の名前(学名)は、ヘレボルス(Helleborus)と言います。クリスマスローズの語源は、ヘレボルスの原種の一種、ニゲル(H.niger)の英名に始まります。日本では、そのネーミングの良さから、ニゲルだけでなくヘレボルス全体の呼び名(和名)として使用されています。近年では日本でも盛んに育種が進み、花の少ない冬から早春にかけて、色とりどりの花を咲かせてくれるため、『冬の貴婦人』と呼ばれ、多くの人々に親しまれています。
②クリスマスローズの故郷
クリスマスローズの原種は、おおよそ20種に分類され、ヨーロッパ全域から地中海沿岸、バルカン半島、黒海沿岸、そして中国に自生しています。特に、アドリア海を挟んで、イタリア半島とバルカン半島には多種の原種が自生しています。
原種は、落葉樹林や雑木淋の中、或いはその縁部、日当たりの良い石灰岩の岩場や牧草地など、様々な場所に自生しています。石灰岩が分布する地域に多く自生していますが、表層の土壌pHは5.5~6.5と弱酸性を示します。
気候を日本と比較すると、夏場の気温が低く、降雨量が少ない傾向があります。夏場、たとえ日中の気温が35℃以上になっても、夜間は20度以下になるなど、植物にとっては過ごし易い環境と言えます。
(注)クリスマスローズの自生地の写真は、中島敏子様、野々口稔様より借用したものです。
③クリスマスローズの分類
クリスマスローズは、起源的な分類(原種と交配種)と、形状的な分類(有茎種と無茎種)を組み合わせて分類されています。
原種は紫色や緑色の花が多く、交配種の様な派手さはありませんが、魅力的な細葉や柑橘系の良い香りを有する原種があるなど、野趣あふれる素朴さに人気があります。一方、交配種は日本の風土にも適応した丈夫さ、そして、特に無茎種(H.ヒブリダス)は、花色の豊富さ、鮮やかさが、バランスの整った花形などが、多くのファンを魅了しています。
原種は紫色や緑色の花が多く、交配種の様な派手さはありませんが、魅力的な細葉や柑橘系の良い香りを有する原種があるなど、野趣あふれる素朴さに人気があります。一方、交配種は日本の風土にも適応した丈夫さ、そして、特に無茎種(H.ヒブリダス)は、花色の豊富さ、鮮やかさが、バランスの整った花形などが、多くのファンを魅了しています。
●分類表
日本語 |
学 名 | ||
原 種 |
有茎種 | アーグチフォリウス |
H. argutifolius |
フェチダス |
H. foetidus | ||
リヴィダス |
H. lividus | ||
ニゲル |
H. niger | ||
ヴェシカリウス |
H. vesicarius | ||
無茎種 |
○小葉が小さく分岐が多いタイプ(小輪系) | ||
ムルチフィダス |
H .multifidus | ||
ムルチフィダス・ヘルツェゴヴィヌス |
H .multifidus hercegovinus | ||
トルカータス |
H. torquatus | ||
○小葉が小さく分岐が多いタイプ(大輪系) | |||
アブルジクス |
H. abruzzicus | ||
○小葉が大きく分岐が少ないタイプ(小輪形) | |||
アトロルーベンス |
H. atrorubens | ||
クロアチクス |
H. croaticus | ||
デュメトルム |
H. dumetorum | ||
ヴィリディス・オキシデンタリス |
H. viridis occidentalis | ||
○小葉が大きく分岐が少ないタイプ(大輪形) |
|||
ボッコネイ |
H. bocconei | ||
リグリクス |
H. liguricus | ||
ムルチフィダス・イストリアクス |
H. multifidus istriacus | ||
オドルス |
H. odorus | ||
オドルス・シクロフィルス | H. odorus cyclophyllus | ||
オリエンタリス |
H. orientalis | ||
オリエンタリス・アブチャシクス |
H. orientalis abchasicus | ||
オリエンタリス・グッタータス |
H. orientalis guttatus | ||
プルプラセンス |
H. purpurascens | ||
チベタヌス |
H. thibetanus | ||
ヴィリディス |
H. viridis | ||
交配種 | 有茎種 | アシュウッデンシス |
H.×ashwoodensis (H. niger×H. vesicarius) |
バラーディアエ |
H.×ballardiae (H. niger×H. lividus) | ||
ベルチェリ |
H.×belcheri (H. niger×H. thibetanus) | ||
エリックスミシー |
H.×ericsmithii (H niger×H. sternii) | ||
ニゲルコルス |
H.×nigercors (H. niger×H. argutifolius) | ||
サヒニー |
H.×sahinii (H. niger×H. foetidus) | ||
ステルニー |
H.×sternii (H. argutifolius×H. lividus) | ||
無茎種 | ヒブリダス |
H.×hybridus |